奪われたチョコレート
「あ、四木さんですか?そうですか…なら事務所で待ってますね!」
歩きながら通話を終えると臨美は粟楠会の事務所までの道程を鼻歌を歌いながら機嫌よく歩く。
「四木さん喜んでくれるかなあ?」
手にはシンプルな包装紙に包まれた小さな箱が握られていた。
四木のために甘さを控えめにし洋酒を効かせたトリュフを作ったのだ。
早く渡したくて思わず足が早まる。
事務所に着くと臨美はソファに座り四木を待つ。
出払っているのか事務所には誰もいなかった。
そんなにかからないと言っていたしその内来るだろうと思っているとドアが開き、よく知る人物が現れた。
「あれえ。臨美ちゃんこんにちは?」
「あ、赤林さん。こんにちは……」
「そんなに身構えないでよ。傷つくなあ……」
臨美はいつもセクハラをしてくる赤林が苦手なのだ。そんな赤林と2人きりで警戒しないはずがない……
「赤林さんがいつも嫌がらせするからです……」
「嫌がらせって…おいちゃんは臨美ちゃんが可愛いだけなんだけどなあ。あれ、これ何だい?」
「あ!返して下さい!!」
机に置いてある箱を手にする赤林から取り戻そうと臨美は立ち上がるが赤林はひょいと難なく交わしてしまう。
「もしかしてチョコレート?おいちゃんこれ貰うね。」
「やっ!それ四木さんのために作ったんです!!返して!!」
手を上に上げられてしまえば身長差がかなりある赤林から奪えるはずもなく臨美は涙目になる。
「お願い……返して下さい……四木さんにあげられなくなっちゃう……」
「ちょ…泣かないでよ…そんなに返して欲しいのかい?」
「当たり前です!!お願いします……」
これ以上からかうのは止めるつもりの赤林だったがうるうると瞳を潤ませ見上げる臨美によからぬ考えがよぎる……
「じゃあおいちゃんの言うこと聞いてくれたら返してあげるよ……」
意地悪く笑いそう言う赤林を見て臨美は一瞬睨んだがすぐに頷いた……
「んっ……!ひゃ……やぁっ……」
「ほら……ちゃんと舌絡めて……?四木の旦那とキスくらいいつもしてるんでしょ?」
「んんっ!?ゲホッ……!」
赤林の膝に乗せられ、口唇を奪われた臨美だがすぐに口を離してしまい、焦れた赤林が無理やり舌をねじ込めば臨美は咽せてしまった。
四木以外の舌の感触が気持ち悪くてたまらないのだ……
「そんなにおいちゃんとチュウするの嫌なんだあ?おいちゃん傷つくなあ……でもさあ、これじゃあ返してあげられないよねえ……」
「あ………ごめんなさっ…!」
「じゃあ今度はちゃんとしてねえ?」
「は……はい!」
早くこんなことを終わらせてチョコを返してもらいたい。臨美の頭の中はそれだけだった……
「んんっ…ふぅ……」
「いいね…その調子だよお?」
赤林の足元にしゃがみこみ臨美は赤林の性器に舌を這わせ愛撫する。
男の臭いに顔をしかめながらもピチャピチャと必死に舐めていれば、ムクリと性器が硬さを増し膨張し、臨美は思わず手を離してしまう。
「きゃっ……」
「臨美ちゃんの可愛いお口で咥えて欲しいなあ?」
「っ……!んっ……んむっ……」
戸惑いながらも咥えると赤林に髪を掴まれグイグイと揺さぶられ臨美は目を見開く。
「んんっ!?んんー!!」
太い性器が喉奥に当たり息苦しくて口を離したいが赤林が腰を振りされるがままになってしまう。
性器が更に大きくなった思えば、口の中に生臭い物が放たれ臨美は咳き込み吐き出した。
「っ……!ゲェっ……」
「ちゃんと飲んでよお……」
「もういいでしょう!?チョコ返して下さい……」
口元を拭い赤林に詰め寄るが、赤林は臨美をソファに押し倒してしまう。
「冗談……ちゃんとこっちでも満足させてもらわないとねえ?」
「やっ…!何言って……やだ!離してっ!!ひどい……チョコ返す気なかったんですね!?」
「ほらほら…暴れない。おまんこ挿れちゃうよお?」
「いやっ!いやぁぁぁ!!四木さん四木さぁん!!」
ショーツをずらされ熱い塊を押し当てられ臨美がギュッと目を閉じた瞬間バンと勢いよくドアが開いた。
「赤林さん。これはどういうことですか?」
「あらら…見つかっちゃったねえ。タイミング悪いなあ……」
「四木さんっ……」
「とりあえず……臨美から離れろ……」
「ちょっとからかっただけですよお……はい臨美ちゃん、これ返すね?」
四木に凄まれても気にしない様子でチョコを渡すと赤林は事務所を出ていってしまった。
「ちょっといじめすぎたかなあ……だってあんなに大切そうにするから……四木の旦那が羨ましいねえ。」
しかしこれからはもっと警戒されて近づけなくなるかもなあと赤林は苦笑し溜息を吐いた……
「臨美。大丈夫か!?」
「は……はい………でもチョコ返して貰えてよかった……赤林さんに取られちゃって……」
「お前な……そんなもんより自分の心配をしろ……」
「だって…四木さんの恋人になってから初めてのバレンタインだし……」
「まあいい……家でお前ごと食ってやるから覚悟しろ……」
「は…はい!」
四木はそのまま臨美を抱き上げるとマンションに向かいチョコと臨美を堪能したのだった。
バレンタイン…遅くなった上に意味がわからないw
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