保健室のお姫様
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生徒×教師な静のぞ
くっつかなかったので続きますw


キーンコーンカンコーン

午前中の授業が終わりチャイムが鳴り、しばらくするとドカドカと走る音がし保健室のドアが勢いよく開かれると保健医の折原臨美は溜息を吐く。


「シズちゃんてばまた来たの?」


「飯食いに来たんすよ。つかシズちゃんて呼ぶの止めて下さい。」


「だってシズちゃんて呼び方可愛いでしょ?それよりシズちゃん何でいつもご飯ここで食べるわけ?」


「折原先生の弁当美味いですから。折原先生だっていつも俺の分作ってきてくれるじゃないですか?」


「そうだけど…あ!シズちゃんほっペ血出てる…また喧嘩したでしょ?消毒するから。」


「これくらい別に……」


「だーめ!シズちゃん顔男前なんだから傷残ったらもったいないでしょ!?ほら…おとなしくしてなさい。」


別にいいと目を逸らした静雄だが、臨美が両手で頬に触れ顔を近づけてきて「男前……」と呟き真っ赤になりジッとされるがままだ。


「っ……!」


脱脂綿に消毒液を含ませ消毒されると染みるのか静雄は眉間に皺を寄せ、臨美はそんな静雄を見てクスクスと笑う。


「染みるけど我慢ね?男の子なんだし。」


「ガキ扱いもやめてください……」


「はいはい。消毒終わったし食べようか?はい、お弁当。」

「サンキュっス!頂きます。」


今日はオムライスだ。鶏肉と野菜をたっぷり入れてバランスよくしてある。
たくさん食べるシズちゃんのは大きめに作ってあるしシズちゃんの苦手なピーマンも細かく刻んで入れた。


「ピーマン大丈夫?」

「細かいんで食えます。っ…!ぐっ!?」


「あ…もう、そんなに急いで食べるからだよ。はい、ココア。」


「すいません……」

シズちゃんはシュンとしてしまいバツが悪そうにココアを飲む。
そんなシズちゃんが可愛く見える辺り臨美は重傷かもと苦笑してしまう。


「ご馳走様っス。」


「あ…授業行かないの?」


「まだ時間あるしちょっと寝ててもいいっスか?」


「しょうがないなあ。」


静雄と出会ったのは春だった。
来神高校に新任の保健医として赴任して来たばかりの臨美が不良に絡まれていた時に静雄が助けてくれてケガをした静雄を手当てしたのだった。


平和島静雄は問題児で有名だったが話して見ると不器用なだけで優しい男の子で、すぐに打ち解け、静雄は休み時間の度にケガをしてなくても保健室にくるようになった。


初めは頻繁にやってくる静雄に戸惑っていたが、段々臨美は静雄が来るのが楽しみになっていた。


臨美は助けてくれた静雄に一目惚れしたのだから……



「先生の弁当美味そう……」

いつもパンを食べていた静雄の一言で静雄の分までお弁当を作ってきて一緒に食べるようにもなった。


「先生料理美味いよな。」


そう言って食べてくれる静雄を見るのがとても楽しくて仕方ない。


シズちゃんは私をどう思っているんだろう?
シズちゃん噂のせいで皆に避けられてるって言ってたけど本当は優しいし顔だって格好いいしきっとその内モテそうだなあ…


私なんて6つも年上だし。



「あ…シズちゃん布団落ちてる。風邪引いちゃうよ…」


臨美は床に落ちてしまった布団を静雄にかけてやり隣に座る。



「シズちゃん大好き…」


そう呟くとスヤスヤと寝息を建てる静雄の額にそっと口付けた。




「ん……?やべ!もう授業始まってんじゃねえか!?」


昼寝から目が覚めた静雄は授業が始まっていることに気づき慌てて飛び起きると人の気配がして隣を見やると臨美が椅子に座り静雄の隣で眠っていた。

「ん……何だ?えっ…先生!?何で……」


自分の手を握って無防備な寝顔を見せる臨美に静雄は心臓がバクバクと音を立てる。
可愛いよな…6つも年上には見えねえし、不良に絡まれてた時も泣きそうで可愛かったな…


毎日弁当作ってくれるし期待してもいいのだろうか?


静雄は臨美の頬に触れると口唇を塞いだ。
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