愛を歌うよ


  −俺達が歌意とするならば、この恋なれば救われるのだろうか−




    を歌うよ




俺達は行きずりの関係上でしかない


「−秋空や鴎島に逝く椿の花を 怪異なしと 想へ(え)らん 消え降る雪は解し通し−」

「?何ぞ、その奇怪な歌は」
「これ?俺が考えた歌だけど?どっか変だった?」
「意味が読めぬ」
「これはその場の雰囲気で詠む歌だから大した意味はないの」

月夜を眺めながら男二人は縁側で酒を酌み交わしてしる。本来ならば、一人で日輪の様に丸い満月を楽しんでいる筈であった。が、慶次が何処からともなく現れ、酒を飲む事になった。

「雰囲気?」
「今の俺達みたいな甘味な関係」
「貴様と甘味など食ろうた覚えはない」
「例え話だよ。甘い甘い恋人同士の事さ
「…」

元就は無視して器の酒を飲み干した。

「黙らないでよ、傷付くから」
「我と貴様が恋人同士だと?」
「違うのかい?俺はそう思ってるけど」

空になった元就のお猪口に酒を注ぐ。

「世迷言を」
「俺は毛利の事好きだよ?」
「我は好かぬ」
「はぁ〜…毛利は俺の事嫌いでも俺は毛利の事大好きだから」
「解せぬ」
「ま、良いや。月見酒を楽しもうぜ?」
「今宵限りぞ?」
「冷たいな…」
「文句を云うなら即刻立ち去れ」
「分かったよ。今夜だけな?また明日来れば良いたけだし」
「来るでない」
「恋を馬鹿にするなよ?毛利。恋したら相手の事想う度に心がどうにかなっちまいそうになるんだからな?」
「我は恋など必要無い。必要なのは安芸の安寧のみ」
「恋したら戦なんてしたくなくなっちまうさ。俺に恋してよ。ってもう恋人同士だけど」
「どうだか…我は貴様と恋仲になった記憶は無い。恋と戦は別物よ。ならば、我にその恋とやらを貴様に抱かせる事が成就した暁には褒美を取らせようぞ」

−ダンッ−

慶次は手にしていたお猪口を床に勢い良く置いた。その為、半分程の酒が零れる。

「本当かい?それ」
「!急に大きな声を出すでない。驚くではないか」
「あ、悪い。だって毛利が俺の事を気にしてくれるって云うか、恋してくれるかもしれない、なんて思ったら嬉しくて」
「つくづく幸せ者よ」
「俺、毛利と幸せな恋が出来る様に頑張るから」
「…好きにするが良い」






  日輪の様な満月は二人を点す。







終。
2010*11*26
-umi-
初、慶就です「祝∩・∀・∩ワー」
可愛い子同士をくっつけるのは楽しいです。しかも終盤は昼休みに仕上げたとか。これから先輩後輩さん達と雑談タイムです。慶就ってマイナーですよね…あとダテナリも。続きも考えてます。R-18予定。歌(にみえない)の意味もそちらに入れます。
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リゼ