僕等のガラス越し

  ガラス越しにあんな事云わないでよ
恥ずかしい
僕だけが恥ずかしい
臨也さんなんか死んでしまえば良いんだ

    そうだ!
 死んでしまえ!!






  






「またシようね」

別れ際に臨也さんが何かを云った。何となく口の動きで分かってしまった僕はホームで一人真っ赤になる。幸いにも、帝人が真っ赤な顔をしていた、などと誰にも気付かれてはいなかったようである。云った本人は、自宅に戻る為電車に乗っており、既にこの場には居ない。


馬鹿!!
こんな公共の場でそんな科白云わないでよ!!
僕は慌てて彼に抗議のメールを送信する手前、先に彼の方からメールが送られてきた。
いぶかげに携帯を開き、受信ボックスを見ると…


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Re:無題
>何の話?
>俺はまた帝人君と俺の家で食事したいって意味で云ったつもりなんだけど?
>あ!!もしかして、昨日の思い出しちゃったとかでしょ!!エッチ〜な帝人君
>また今夜愛してあげるからね


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「微妙にウザい。しかも最後の黒薔薇ってセンスないんですけど…」

帝人は溜息混じりに返信ボタンを押し、内容を打ち込む。



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RE:無題
>何の話って、変な事を云うからです。
>それに、食事なら食事と云って下さい。
>絵文字、気色悪いし、センス悪いです。
>それに、今夜は正臣と園原さんと60階通りに遊びに行くんで臨也さんには会えません!!
>絶対に来ないで下さいね!!!!

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Re:エッチと勘違いした人が負けだよ
>絵文字使うのは個人の自由だよ〜
>んじゃ、俺も60階通りに行こうかな〜?
>でも、シズちゃんにあったら、嫌だしな〜
>帝人君が俺の所に来れば事が早く終わるんだけど
>手料理ご馳走するからさ

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その後、意味のないメールを繰り返し、臨也さんは折れてくれた様で、返信は来なかった。






















  「やっぱり来ちゃった



「…。もしもし?静雄さんですか?あの…臨也さん来てて。は、早く来てっ犯されちゃうっ」



「何。その迫真の演技」

「ああ云えば、飛んで臨也さんを殺しに来てくれると思って」


「なら、本当に犯してあげようか?」

「駄目です。あ。正臣と園原さんが向こうで待っているので。では」












「つれないなぁ…ってシズちゃんの気配がする…逃げよっと♪」














終。
2010*08*02
-umi-

- 16 -

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