「  」みたい







「エロ可愛いよな〜w杏里ってさ」





     「  」みたい







また私の事を云っては、平和な頭が愉快に踊っている。紀田君は、何故そこまで私を"可愛い"と云うのか。私は可愛くもなければ、何の魅力も何一つない。あるとすれば、この胸…位だろうか。




「杏里とキス、したら俺までエロくなっちゃうのかなぁ?でもシたいんだよね〜。キス」



一人で悩んでは、一人で完結する


「紀田君」

「ん?何?」


「…」

「私って何処が魅力?」


云って後悔した。身体目当てかもしれない男の子に対し、私の何処が魅力なのかと聞いても、多分、"胸"だと思っていても、聞いてみたかった。"胸"以外なにも取り柄ないし。地味だし。キラキラだってしてないよ。紀田君みたいに、常にキラキラしていられたら、きっと毎日が楽しいんだろうね。


「もぉ、そんなの決ってんじゃん。全部だよ。全部!!」

「え?」

「え?じゃなくてさ。何処?なんて聞くから、全部って答えたの。まだまだ知らない部分も一杯あるだろうけど、俺が見て、俺が知っている杏里は好きだよ。全部」

「…すき…?」


何。今。好きって云った。誰を?私?有り得ない。私は、疑っている。彼の言葉を。



  !!!!




食べていたお弁当箱がガシャンと落下した。私が落とした。彼は驚いた。その次には私の落としたお弁当箱を拾ってくれた。



「だ、大丈夫?」

「…だいじょうぶ。有難う、拾ってくれて」



彼の手からお弁当箱を受け取ると、私は立ち上がった。この場から去る為に。だけど。



「待って。杏里」



それを察知したかの様に私の手を掴む



「きだk…んん…っ!?っ嫌っ」



彼を突き飛ばそうとしたけど、私にはそんな力はあんまりなかった。少し距離を伸ばせただけで、まだ私は、彼の手から掴める位置に居る。やだ…本当にキス、された。冗談にしては、リアル。



「杏里のファーストキスもーらいwあ、でもファーストキスじゃないかもしれないけど。ま。良いや。そして、無防備な杏里に再度CHU〜」

「ダメっ」



私は咄嗟にお弁当箱の蓋でカバーする。

「ぅぅ〜杏里ぃ〜。もっとキスしたい〜」

「駄目だよ。そんな事したら、紀田君汚れる。」

「汚れる?何で?」

「何でって…」

「誰かが云ったの?気にしない方が良いよ?杏里は杏里。杏里の領域を邪魔するなら俺が、ブッとばしてあげるからさ」



そんな彼の優しさに私は依存してしまうかもしれない。いや。既に依存しているのかも。確実に。彼が好き。本当は、紀田君が好き。言葉には出さないけど。




  "好き"みたい






―彼―を







終。

-umi-
不意打ちでハマったデュラララ。初作品。彼等がどんな立ち位置なのかまだ知りません。公式サイト等で少しずつ掴んでいきたいと思います。

2010*04*26
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