自覚の目覚める恋鳥の囀り
「好きだ」
そう告げられ、笑顔でお礼を云うしかなかった。友情として受け取る事は容易い。だが、恋愛となれば別だ。一体、彼はどちらの意味でそう述べたのか?答えは考えずとも容易である。
わざわざ、友情として意を決して告白したりはしない。素直に受け取るべきか、その意味を問うべきか。自分に好意を寄せている事に付け込んで彼を手籠めにする事だって出来るのだ。
どうして僕なのだろう?と疑問しか浮かばない。
だって貴方は愛おしい亡き奥さんが居て、娘さんも居て…
正直、告白されて迷惑だった訳ではない。
嬉しかった訳でもない。
どちらとも云えない感情になった。
恋人同士になりたい気持ちは無かった。
友情以上も望まない。
ただ、仲間として、信頼関係をもっと強めたいと云う思いはある。
貴方からの告白の意図が読めなくて僕はブログを更新出来ない程に思い詰めているのは確かだ。
「どうしよ…」
はぁ、と大きな溜息と吐く。
明日から貴方とどう顔をして会えば良いのか分からない。
いつも通りの顔で居れば良いのか?
全く、そんな告白は僕からしたかったなんて到底云えない。
云える筈がない。
「恋の目覚めなんか僕には来ないt思っていたのになぁ…」
「はぁ。取り敢えず、一言でもブログ更新しよう」
パソコンを起動し、ブログ更新の準備に取り掛かる。
自覚の目覚める恋鳥の囀り
終。
-umi-
2012*07*29
初の虎折。虎徹さん一言しか出てきませんが。
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