言渡不誰





兄さんは僕のだ
誰にも渡さない
初めは任務の為に貴方、ルルーシュに近付いた
監視する為に
だけど、
次第にルルーシュを本当の兄と思うようになってしまった
誕生にが無かった僕に貴方は誕生日をくれた
ロケットも
人と接する機会が少なかった僕に
話しかけてくれる生徒会のメンバー
僕にとってはくだらない話で盛り上がる
良く分からない企画も沢山あって
少しだけ楽しい時も増えてきた
そう
全ては偽りだと云うのに
任務の一環としていれば良いんだ
今迄だったそうして来たじゃないか
任務成功が僕の未来を広げる
苦しく十月二十五日は"本当の妹ナナリー"の誕生日
記憶をなくしているとは云え十月二十五日だなんて
楽しい兄妹劇もルルーシュの記憶が戻ってしまえば終わる
バベルタワーでの一見がなければもう少し長く続けていられただろうか
分からない
貴方は僕に未来をくれると云った
その言葉に嘘偽りはないと信じていた
なのに貴方は駒以外で僕を見ている節がある
妙に優し過ぎる所とか色々
このまま記憶が戻らなければ良かったのに
そんな折、あの男が復学して来た
以前のように兄さんの前に現れた
ナイトオブセブン枢木スザク
上司に当たる男
兄さんを奪おうとする男
兄さんの昔の…
男…
昔?
今も?そうかもしれない
実際僕は貴方のモノでもないし
貴方も僕の事などなんとも思ってはいない
今は何故か貴方の為なら死ねる気がする
まぁ僕が死んだら僕自身の希望は、未来はないんだけど




fin.
2008/12/01

+゚.璃花+.゚
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リゼ