心貴許不




心だけは奪われたりはしない
決して
身体は許しても心は許さない
嗚呼
あのまま君の記憶が戻らなければ良かったのに
そうすればあんな関係もどさくさに紛れて消えてしまっていた筈
どういった経緯で記憶が戻ったかは知らないけど
同じギアスの力で戻ったのだろうか
それとも違うのか
皇帝がギアス保持者だった事
そのギアスを使用した時、俺はそれを、皇帝がギアスを使用する姿を初めて目の当たりにした
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あの島で
あのサクラダイトをルルーシュから引き離した後優勢だった俺は、血を流してこちらを見上げているルルーシュの表情に思わず凝視してしまった
-綺麗-だと
その一瞬を突いて体勢は逆転して今度はスザクがルルーシュを見上げる形となった
「やはりこっちの方が眺めが良い」
ルルーシュの手がスザクの両腕をクロス字にして地面に叩き付ける
「っぐっ…」
こっちの方と云うのはスザクが下でルルーシュが上
性交ではルルーシュとスザクの決まり切った体勢
ルルーシュが好む体位の一つ
時には逆にされて善がらせられた過去もあるった
「…君はこ…の体勢、好きだったよね?」
そう云えば的な口調で問う
ルルーシュの脳裏にその光景が浮かぶ
行為の一番最初には必ずこの体勢だ
「思い…出してるの?」
聞けば鼻で嗤われた
「はっ…まさか。お前の方がより思いだせるんじゃないのか?今のこの状況では」
犯されている自分を
まだ体力が一番多く残っている時に一番最初にイく瞬間を
完全に狂う前のお前を
ルルーシュとして抱く日
ゼロとしてスザクを犯した日
どちらも善がってたよな
ゼロ=ルルーシュとしてまだ知らなかった時も
ゼロで犯した時は常に警戒して中々素直にならなかったあの頃が懐かしい

ルルーシュの指がスザクのパイロットスーツのファスナーを下へと下していく
「やめろ」
臍(へそ)の辺りまで下ろし止る
開けた左側っを外側へと広げる
すると小さな胸の突起が顔を覗かせる
軽く摘むと反応した答えが返ってくる
「!!ぁっ…!」
相変わらず敏感な身体だな…
耳元で呟けばピクリと身体が動く
「…っめ、ルル…シュ…」
ルルーシュ?
何を云っているんだ?
「今の俺はゼロだ。ルルーシュ?誰だ?そいつは。他の男か?」
正体が判明してはいたが、悪魔でもゼロと名乗る
思えばゼロとしてスザクを犯した事はあったが、その時は常にスザクに目隠しをしていた
正体がバレないように
キスの仕方もバレないように変えて
だが、今ははっきりと顔を認識している
目隠しをしていないから
もうその必要もない
いつからか見ず知らずの得たいの知れない男に犯されているのが快楽となっていった
あの日から一体何度スザクを犯したかもう数え切れない
「もう何回お前を犯してきたか分からないな」
「…じ、十回以上…はシて、…」
回数を問えば律儀に返事が返ってくる
セックスも
キスもそれ以上に沢山してきた
犯して嬲ったくせに
今更何回したか思い出せない?
それは俺だって同じ
今の答えは適当に云っただけ
けど、本当に十回以上はシている気がする
確かに確実に数え切れない程犯された
ゼロに
正体を知ってからゼロとゼックスをするのは初めてだけど
「どうだ、新鮮だろ?仮面の下が友だと思っていた男で、しかもその男にまた犯されている」
もっと俺を感じろ
後悔する程に
「いやっルル…っ」
「私はそいつではない。全くお前は、いや…?それよりもお前を犯したくて堪らない」
「やだ、」
「嫌?嘘だな。この身体は俺を望んでいる。そうだ、一つ条件をやろう」
それは
此処で犯される代わりに俺を皇帝の所まで連れて行け
それなら文句はないだろう
「そん、な条件飲め…るわけっぁぁぁ」
云いながらルルーシュは胸の突起を抓る
「飲んでもらう、両方な」
「んぁ…」
条件と俺の
スザク
幾ら嫌でも両方飲んでもらう
俺はあの男に復讐しなければならない

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俺に犯されていなければお前は生きてはいけない
お前は俺から逃げられない
例え、ナイトオブラウンズになったとしても同じ事
他の男に抱かれていても
他の女を抱いたとしても
ゼロと関わった事実は変わらない
他の誰も知らなくとも俺とお前だけが秘密を共有していれば良い
そうやってお前は俺を感じていれば良い
喘いで取り繕って善がって叫んで絶望して
誰にも譲らない
俺だけの可愛い可愛いお人形
殺しはしない
殺させはしない
呪いの糸を掛けて
お人形はもう自分で糸を切れない
俺に切ってももらえない
全てが仮面の男の手によって操られる
救いの手は永遠に伸びないのをお人形はまだ知らない
呪いの愛の言葉は仮面の男の一言により死から遠い存在になる

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さぁ
俺の記憶は戻った
またお前を犯しに行くとしよう
だが
その前に
記憶の戻っていないフリをして優しく痛ましく抱いてやるのも良いな
とにかく俺は
お前が欲しい
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心だけは奪われたりはしない
決して
身体は許しても心は許さない
だけど
君が
ルルーシュが欲しい
また抱かれたい
ゼロに会いたい
また犯されたい






今迄自分を犯していた相手がルルーシュだったのだと思うとスザクはより興奮していった
「生きろ」だなんて
それが愛の言葉だなんて信じて良いのだろうか





fin.
2009/01/23

+゚.璃花+.゚

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