好奪仔溶




「あー疲れたー…」
ガラガラと浴室の扉を開けると心地よい湿度が漂う
「(にしても、さっきのスザクは可愛かったよなぁ。いつもだけど)」
あの可愛さは犯罪に値する
深夜三時二十五分
ラウンズ専用の浴室
深夜を回ってしまえば利用するメンバーはいない
皆は個人用を利用している
だが少し狭い
ジノは気まぐれにこの浴室を利用する
スザクとは絶対に入らない
偶然重なれば仕方がないが、故意的に入るのは極力避けている
何をしてしまうか分からないから
自分を抑える為に

ガラガラを再び扉の音がする
自分ではない
他の誰か
こんな時間に?
珍しい
スザクか?
いや、違う
スザクは何度もイき過ぎて深い眠りについている筈だから
薄ぼんやりとシルエットが見えた
大柄
ジノよりも
ビスマルクか?
あ。でもあの人も遠征で今居ないんだっけ
じゃぁ誰だ…?
目を凝らす
!?
姿を確認するとジノは驚愕し言葉が出なかった
「おや…君もいたのか…」
飄々とした態度でジノに離し掛ける
「しゅ、シュナイゼル殿…下?」
何をそんなに驚いているんだい?

皇族にも個人用浴室がある
わざわざラウンズ専用の浴室に来る必要などないのだ
「いや…私専用の浴室が壊れてしまってね…」
壊れたと云うのは嘘だが
君が入るのを見掛けたからつい入ってみただけ
遅い時間なら君以外に入る人間はいないと思ったから
妙な確信が自分を突いていた

ジノの隣へ腰掛ける
「あ。俺…いや、私先に失礼致しますっ」
慌てて出て行こうとすると制止を掛けられた
「待ちなさい。君も来たばかりだろう…さっき入っていく姿が見えた」
きちんと温まらないと風邪を引いてしまうよ?
まるで保護者のような云い方
「で、ですが…殿下がいらっしゃるのに私などが」
このような場所で…
このような場所?
私は気にしないが
今だけは皇務の事は忘れなさい
「…はぁ…」
本当はね、枢木スザクの所へ行こうと思ったんだが
スザク≠ニ云う言葉にジノはピクっと眉を動かす
直感がね
したのだよ。今行くのは良くないと
「…殿下は鋭い所がおありですから」
「ハハ…君がそのような事を云うのか」
?
違う意味で答えた筈が触れて欲しくない所を云い当てられる
今夜もスザクの所へ行っただろう?
背中に引っ掻き傷がある
まぁ、私が許したのだからこう云う場合重なる事もある
「今度は君が私に抱かれるんだ」
「ぁっ」
立ったままのジノの腰を引き寄せる
駄目です!!
「もう体力が無いかね?」
そう云う訳では…
「なら私ともシようではないか」
その為に私は来たのだから



「…イエス・マイ・ロード」



fin.
ジノ受けも大好き
2009/01/22

+゚.璃花+.゚

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リゼ