仮面御遊戯ト偽リ之情愛
 
 
 
「もっと…ぁっ、イくっ」

 
 

─この行為に愛情なんて無い。あるのは性欲処理に於ける相手との肉体関係のみ−




「あ、あ、(ビクゥッ)っ!!」
「またイっちゃったの?」
「…はぁ…は…」
「そろそろ、本気で俺のモノになる気になった?」
「ふ、ざけんな…」
「素直じゃないなぁ奥村君はぁ。こんなセックスに愛情なんてありはしないんだけど、所有物にしておきたいって事なんだけど?」
「…しょ、ゅぅ?」
「簡単に云うと"セフレ"だよね"セフレ"」

髪を掴み上げ、息を乱してる彼に人差し指を唇に当てて冷たく一言告げる。

    

   帰れと。


そう。これは肉体だけの関係。恋人でもなければ仲の良い友達でもない。互いの欲が満たされれば終わる。毎日、或いは週に何日かに行われる。優しいだなんて存在しない。があればもう少しは優しい世界になれたのだろうか。俺達の。男は彼の服を投げ付けると飴の袋を手に取った。彼は怠い身体を起こすとドロリと中から男が吐き出した精液が流れ出る。ティッシュで拭き取ると飴が頭に当たると男を睨んだ。怒っているのだろうか。今迄で初めてな感じがする。

「、んだよ?後処理、お前に任せて悪かったって。だから飴やったろ?」
「…違ぇよ」

後処理の事で怒っているのではないのだろうか?

「じゃぁ何だよ?」
「後処理位はさせていけよ。いつもシて行くだろ?」
「…ああ。そいやぁそうだな。勝手に風呂場使って良いから、それ済またら帰れよ」
「あと、」
「まだ何か─!!ん…」
「は…んふ、ぅ…」

彼は男に覆い被さりキスをした。


     ─コロ リ─


「…まだ足りねぇのか?」
「あめ」
「は?」
「飴が欲しかったから…」

気付けば飴は彼の口の中に移っていた。

「飴ならお前にもやったろ?」
「違うだろ?味が」

ベッと出された飴は白色カルピス味。彼に渡された飴にはオレンジ味と書いてあり、彼は自分と同じ味が欲しかったのかと男は思った。

「味?」
「その…お前と同じ飴が食べたかったんだよ。今日は…これで終わり…だし///」

彼は赤い顔しながらぶつぶつ云ったので聞き取り難かったが、確かにそう言葉を奏でた。


「///!!たく、こっちまで赤くなっちまったじゃねぇか。何なら、もう一回スるか?」
「この後、彼女来るんだろ?」
「んなのお前とのセックスの方が楽しいに決まってんじゃねぇか。今度は後処理もシてやるから安心しろよ」

   ─chu─
   

「なら最初からそう云えよ」
「云わねぇ。俺はお前を虐めるのが趣味なんだからな」

     −chu−


「優しくしろよ?」
「本当に馬鹿だよね?奥村君は」
「なっ」
「だって"優しくしろ"なんて云われて優しくする程、お人好しじゃねぇんだよ」


「……!!(くそっ格好良い奴)」









END.
-umi-
2011*07*03
白燐ハァハァ彼等の関係はこんな感じだけど、お互いが大事で仕方ないと良い。
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