少年達を包み込む薔薇は汚れ無く甘き乙女


「んん…」

バナージは目を覚ます。もう見慣れた部屋。殺風景な中に大量の薔薇の花束が目立つ。昨日誕生日を迎えた男に友人達から贈られたのだ。誕生日プレゼントを用意していなかったバナージは、と云うより"知らなかった"と云うのが正しいか。付き合って数ヶ月経つが、互いの誕生日を知らないのはあまり気にしていなかった。昨日がその日だったので知る事が出来たが、昨日でなかったのなら知らないままになっていた。
部屋一面に広がる薔薇の香り。バスルームにも薔薇が散りばめられ、いつもとは違う雰囲気で事に及ばされた。バスタブには花の部分と花びらの二種類が浮かび、高級感を漂わせ、二人を包み込む。赤や黄、オレンジ、青といった珍しい品種にリディとバナージは大喜びした。男にとって花束など大した喜びを得ないと思っていた。が、やはり実際貰うとなると心なしか嬉しくなるらしい。


「へぇ、色とりどりの薔薇ですね」
「だろ?男が花束なんか貰って嬉しいかって思いもしたが、こうして受け取ると嬉しいんだな」
「やはり大人なんですね」

大人と云われたリディはその言葉にピンとこなかった。

「大人?」
「はい。俺達はまだ学生だから、花束って高級感があるし、お菓子とか文具や雑貨が多いので」
「まぁ、花は学生にはお高い代物だな。けどお菓子や雑貨も嬉しいだろ?」
「何か、大人って俺には想像出来ない部分が沢山あって…」
「バナージはまだまだ"お子ちゃま"だからなー。怖いもの知らずで思った事素直に口にするし、セックスも初々しいし」

頬を包み込まれ、顔を赤くするバナージ。キスされるのではないかとさえ思う近さ。

「!?セ…、アレは関係ないでしょう!!」
「あのミコットって子とセックスしてないのか?」
「ミコットとはただの友達で」
「じゃあ、他の子とは?」
「だ、誰も…う、」

バナージなリディを振り払い、口に手を当てる。内臓から何かが込み上げ、吐き出される感覚に襲われた。

「どうした?」
「…ちょっと吐き気がして…」
「まさか…」

インダストリアル7で起こった事件を脳裏に蘇り、吐き気を催す。

「まさか…つわり?」
「…」

わざとらしく云えば、睨みを利かせた顔が返ってくる。

「あ、怒った?」
「怒るもなにも…」
「それもそうだよな」

今度はバナージの腹に右手を沿えると、また卑猥な言葉を浴びせる。

「生で突っ込んでるけど、中出しだってしていないし。バナージに許してもらえれば、いつだって俺は中出ししたいけど」

次第に変わるこの部屋の空気が澱んでくるのが分かる。肌がその危険性を発信してくる。

「っ…!?く、口を慎んで下さい!」
「何で?」

「それは…んふ…」

今度は本当にキスをされた。

「それは?」
「狡い…」
「狡くない」



     



そして、目を覚ましたバナージは薔薇の香りに昨日の行為を思い出し赤面した。











終。
2011*12*03
-umi-
リディ誕生日ネタ。
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リゼ