宿主も嫉妬する
今日は佳くんや遊戯くん、いつものみんなと下校していたのに思わぬところで佳くんとふたりっきりになった。とりあえずふたりっきりだから許されるだろうかと思って佳くんと手を繋ぎたいと言ってみたら案外あっさりと承諾してくれた。なにそれ嬉しい。童実野町って海馬くんの手が回っているところばっかりだからまあボクと佳くんが仲良く手を繋いで歩いている瞬間でも監視カメラからとかで海馬くんに見せつければいいなあとかボクは嫉妬心でいっぱいだった。海馬くんは今日学校に来ていなかったから佳くんのことじゅうぶん独占できたけど。海馬くんよいつものボクみたいに嫉妬しろて考えてけど相手はあの海馬くんだ。もしかしたら佳くんの命が危ない?ああ海馬くんもいい加減に佳くんのことを諦めたら良いのにとか思う。ボクも諦めてないから海馬くんも諦めないんだろうけど。佳くんがボクのものって言うわけでもないし。むしろ誰のものでもないから良いのかなあ。だけど皆佳くんのこと狙ってるからなーとボクの隣を歩く佳くんの顔を見上げたら目線がかち合って幸せすぎてボクは目を逸らしてしまった。ああ変なふうに受け取られませんように…!いやボクが悪いんだけどさとか思っていると繋いでいたボクの左手を佳くんがぎゅうとよりいっそう握ってくれた。ひええうれしい嬉しいどうしようとりあえず握り返しとこう。でもボクの心臓は五月蝿いし顔も赤いだろうしこれじゃあもう佳くんの顔を見てられないよってボクは思った。幸せなんだけどね。


宿


(海馬くん見てるかなあ)
(どした獏良?)
(ううんなんでもないよー)
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リゼ