海馬社長と凡骨が並進した
この前オレが城之内の学ランのボタンを縫い付けてやり我が家で鍋を共に食ってからというもの、何故か城之内がオレに良くひっついてくるようになった。オレとしては友情が深まるのって良い事だと思うし特に邪魔という訳でもないので現状維持中。
…しかしこんなときは果てしなくやかましい。

「城之内急げスーパーのタイムセールが始まる!!!」
オレは委員会の仕事を終えて、待っていてくれた城之内の肩に手を置いてーー
「おうよ前田!このオレに任せな!」
城之内のチャリの後ろに無理やり乗っかっている状態である。俗にいう2ケツ。城之内が漕いでんだけど同じく委員会をオレと共に終えた例のあいつ、まあ海馬瀬人が追跡して来る。高級車(※チャリではない)で。オレの背後からは瀬人のくっそうるせえ馬鹿声が聞こえてきた。信号やら帰宅ラッシュで詰まったらしい。オレと城之内も同じく信号でとまった。

「佳!何故オレの車に乗らんのかあああぁぁぁぁあああああああ!!!!!」
振り向くと瀬人が車の窓から頭をのぞかせていた。
「うっせーぞ瀬人ぉ!つかスーパー小せえ上に混むんだからんな車で来んじゃねえ!!常識わきまえろうっわ城之内急げえええあと5分ーー!!!」
そこで丁度良いところに信号は青に。城之内まじ頼む!!
「解ったぜ!前田よ因みに今晩の献立は?!」
「目玉焼き付きハンバーグとナポリタン!」
子供舌で悪かったな子供舌で。とか思っていたらチャリの速度が上がったんで城之内が気合いを入れ直したのが解った。
「よっしゃああああああぁぁぁああ城之内ファイアー!!」
「なんだそのくっそだせえの!」
とか城之内と喋っていたらいつの間にやら隣に瀬人の車が走ってる。並進っていうの?こういうの。
「こら佳!!何故オレと会話せずに凡骨なんぞと喋るか!!」
「凡骨っていうな海馬ァ!!!」
いやお前ら並んで走行しながら喧嘩すんなよ阿保みたいだぞすんげえおかしな光景だぞ恥ずかしいぞ、とオレは言いかけたけどやめた。なんでって車のスピードに城之内が追い付いているのかそれとも瀬人の方の運転手が合わせてんのか判らんくなったから。どちらもお疲れ様ですていうか今日も3人でオレの家にて飯食うの決定なんかな?なんだろうなあ。タマネギまだあったっけか?
「貴様に話しかけたのではないわ凡骨風情が!!」
「ぁんだと?!!」
「というか何故貴様が佳の手作りの夕飯を佳と共に食べようとするのだぶちころすぞ身をわきまえろ!!!!!」
「いーーーだろべーーーーつーーーに!海馬にゃあ関係ねえんだよ!!なっ前田!」
「佳!返事をせんか!!」


…あー
いや、あのな?ふたりともよ

「…あああああうっせえうるっせえ!!!毎週毎週火曜の特売日になんで毎回毎回こうなるんじゃボケエェエ!!!!!!」

オレにも我慢の限界があるというのを分かれ今夜の白飯減らすぞ。





(海馬のハンバーグの方が大きい)(凡骨のハンバーグの方が大きい)
(…お前ら揃いも揃って先週も似たようなこと言ってたからな)
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