海馬社長はムードを考えない
「…け、佳」
「ぁ?なに瀬人」
それはオレの家で瀬人と映画のDVDをぼーっと見ている時だった。オレが気付いた時にはソファーの上に瀬人から押し倒されていた。
「…いやこれなに瀬人よ」
「…そ、その、だ。…セックス、でも、せんか…」
「あ?」
いや今インディが良いところで…トロッコで…って思っていても瀬人は頬を赤らめたまま我関せずオレのズボンのベルトをかちゃかちゃと弄ってきている。どうするどうするよオレ。しかし瀬人が乗り気ならどう考えてもそういう流れになるだろうしあああインディ助けてくれ
「…なに瀬人、溜まってんの?」
「いいやそういう訳でもない…ただ無性に佳が恋しくなった。…む、勃っていないな…」
そんなじろじろ見られても困ります。つか瀬人は勃ってんのかよ。オレどうしよう。
「だっていきなり過ぎるて。オレ映画観てえし。ムードとか考えよう瀬…?!」
とか説得しようとしてたのに瀬人がオレの自身をぺろりと舐めた。何してんだこのこおおおぉぉおおお!!!!
「…ならばムードなど無くともオレを抱きたくさせてやるわ。んむ…よろこ ふ、 ン、ん、ひゃな、佳」
いやいやいやいきなりフェラて!!マジどうした瀬人!!!
オレがソファーの上でなんとか上半身を起こすとちゅぷじゅぷと瀬人が煽ってくる。今目が合ったんだけどにやりと笑われた。あああもうほんとこいつなんなのと思うのに悲しいかなオレの雄が疼き始めた。
「んっんく、ふぁ、ふふ、勃っへひたな…」
ちゅう、ぢゅ、れろと自身を瀬人に翻弄される。いやほんと瀬人は何処でこういうの覚えてくるんだろうか。ちゃんと言葉を発音出来てないの可愛すぎるし。しかもそれ多分狙ってやってねえし。天然ってまじこええわと熱を持ち出した己の下半身をオレは情けなく思っていた。

×××

じゅぶ、ぢゅくと瀬人の唾液とオレの先走りやらが混ざる水音がこの狭いオレの部屋を支配していた。あと、オレと瀬人の荒い息遣いとか。つかいい加減…
「…瀬、と、そろそろ 出そう」
「ン、んン、だひぇばいいだろ。んく」
「…え瀬人の口ん中で出せと?」
「のみひゃい」
「んっ、無理だからマジで…!」
「いい ひゃろ、んぷ、じゅ」
「他!ほかになんかないの?!?!」
只今オレは切羽詰まっております。いやまじ出そうだけど気持ち良いんだけど瀬人の口ん中で出す訳には…!精液が飲み込み辛くて咽せる瀬人とか心底もえるけど人間としてどうなんだそれはとか思う訳でああああああどうしろとオレにどうしろと言うんだ瀬 人 は ! ! !
「まじイくまじイくから離してマジで…!」
「…ん、じゃあ」
「あ?」
ぱっと瀬人の口から漸く解放されたかと思えば先端を強く吸われ
「顔射が良い」
「はア?!???!って、ーーーーーーっ!!!」

×××

やらかした。
オレやらかしました。
瀬人に顔射しました。
「ティッシュティッシュティッシュ!!!くっそ瀬人のボケなにすんだ!!あああティッシューー!!!」
「ふふ、生暖かいな。ん…思えば顔射は初めてか」
「目に入ってねえ?!?!」
「大丈夫だが?」
オレは机の上にちょうど置いてた箱ティッシュをなんとか手に取り瀬人に渡すんだけれど悲しいことに本人の瀬人は自分の顔やら髪にかかったオレの精液を指に絡め取ることに夢中の様で聞いてない。しかもそのままその自分の指をしゃぶってるし。
「…瀬人よ」
そう言いオレはティッシュを一枚抜き取り瀬人の顔を拭くんだけど瀬人は恍惚としていてめちゃくちゃ嬉しそうでこいつはほんとに何がしたいんだ。ってああセックスか。そういやそうだった。
「ん?なんだ佳」
「そんなに嬉しそうに自分の指しゃぶらないの。抱いてやる、抱いてやるから…」
「本当か!!」
「ほんとほんと…」
オレの精液まみれなのに嬉々としている瀬人のそんな顔を見れば映画のインディなんてオレの頭からとうの昔に消えていた。すまん。







(…瀬人、オレのベッド行く?)
(オレとしては何処でも良いが…)
(良い加減にしような、瀬人)
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