絡みつく想い
彼に初めて出会って、もう15年の月日が流れた。
純粋で真っ直ぐな目をした新米の警官だった彼は、今では大統領を補佐するエージェントだ。
しかし、15年前に私が愛した彼と全く変わってない。そのことがまた、私の心をくすぐるのだ。
2013年…また、世界に波紋が訪れた。
アメリカ、中国、そしてイドニア。
イドニアにはあのアルバート・ウェスカーの息子がいるというが、その話は半年前。今はどこにいるのか?
いや、それよりも…
「このシモンズの半年前の指令……誰かが私の代わりにやってくれたのかしら…」
嫌な予感がする。このことはそんな単純なものではないという予感が。自慢ではないが、こういう悪い予感は到底当たる。…いや、当たってしまう。
深くため息をつく。また私は、かなり面倒なことに巻き込まれているのか。
「…いいえ…これが私の『仕事』なのよね」
そう思うとさらに重いため息が出てしまう。
…これで何度目だろうか。
この世界が食欲だけで這いずり回る死体と、得体の知れない化け物たちに埋め尽くされるのは…。
「…もしかすると」
また、彼に会えるかも知れない。
いや、こういう面倒ごとには必ず巻き込まれるか、自ら首を突っ込む彼だ。私が動けば、必ず会えるだろう。
そう考えると、急に胸が高鳴るのを感じた。
恋する乙女のように高鳴るそれをぐっと押さえつけ、唇を噛む。
彼とラクーンの時のような関係になることはもう無い。それは、ヨーロッパで再開した時点で確実になっている。
だが、そのことに未だに寂しさを覚える自分に少々呆れてしまう。
「まだまだね…私も」
自嘲的な笑みを浮かべ、ほんの少し濡れた瞳をぬぐう。
「私には、やることがある」
そう、自分にはやることがあるのだ。彼のことを考える暇もないほどたくさん。
「…行きましょうか」
自分に言いかけるように言い、扉に向かう。
とりあえず今は、シモンズに言われたように行動しよう。必ず何かが掴めるはずだから。
目の前の目標を立て、走り出す。
シモンズの目的を知るために。
そして…自分の未練を完全に絶ちきるために。
あとがき
長い間お待たせ致してすみません!(土下座)しかもレオエイじゃないしっ!レオンのレの字も出てない(滝汗)こんな駄文で本当に申し訳ありません!
それではキリリクありがとうございましたm(__)m
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