〜2014.9.15


どうやら彼は初めから口に含むようなやり方は好きじゃないらしい。

じっくり味合うように、隅々まで舌を這わせて
あいている両手は、全身の肌の感触を楽しむように遊ばせる。

硬くなった部分の下にある柔らかい部分は
片方ずつ丁寧に口に含んで、口の中で優しくすって舌を這わせる。

そうやって時間をかけてからやっと私は硬くなった彼自身を味わうことができるのだ。

じっくりと
丁寧に
もったいないからもっともっとって
彼の反応を見ながらそうしていると
時間の感覚がなくなって、ほんの数分間のようにも思えるし、
果てしなく長い間そうしているかのようにも思えて
考えるということが、どうでもよくなってしまう。

その間中ずっと、私は彼に対して不思議な服従感で満たされる。


ひざまずき奉仕していると
時折強引に私の頭を押さえて無理やりに入ってくるそれに
空気を遮られて苦しみ、時にえずく。


嬉しそうに

「うれしいの?それともくるしいの?}

意地悪にそう聞かれると、苦しさで胸がいっぱいいになって
生理的に自然と涙がこぼれてくる。




嬉しい






服従している屈辱感とか、恥ずかしいとか、
頭の中のすみっこで感じながらも、素直に答えてしまうのだ。




end

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