スイーツとフォーク(伊+数♀)
藤内女体化企画の2人
数馬が女の子なので注意
からんからん
「いらっしゃ……やぁ数馬ちゃん!」
「……こんにちは」
地元民しか降りないような小さな駅の東口から徒歩5分。
近そうでちょっと遠い。そんな土地に私のお店がある
「あれ?…藤内ちゃんは?最近来ないけど」
「…デートだって」
不機嫌そうに入ってきたのは、三反田数馬ちゃん。当店の最初のお客さまだ
スッゴいドキドキしてシフォンケーキを出して感想を聞いた私に、子どもとは思えないようなきついダメ出しをされたのをつい最近のように思い出せる。
生クリームが甘くないとか、値段設定が高すぎるだとか、観葉植物を置けだとか…今思えば彼女のお陰で経営が成り立っているようなものかも
彼女は決まって私がいるカウンターから少し離れた、窓側の席に、私に背を向けるように座る。今はお客さまは彼女だけなのに、絶対に変わらない
「ダージリンで良かったよね?あと新作のケーキ作ったから試食していってよ!」
「…はい」
おやおや。今日は相当落ち込んでいるようだ
数馬ちゃんはストレート派、生クリームはちょっと多め。
淹れたての紅茶とケーキをあの子のテーブルに運ぶと、瞳が輝いた
「お待たせ!これが新作のチーズケーキタルトだよ!…チーズケーキなのに生クリームを載せたってのがポイントでね、」
「…ん」
彼女は私の話なんか聞いてもいないようで早々とケーキにフォークを刺す
まぁ、これもまたいつもの事なんだけど
「んぅ……、」
だけど…今の今まで不満だらけですって顔から緊張が逃げて、鮮やかになる頬やちょこちょこ動くまつげが
なんだかくすぐったくって
私までフォークで刺されたみたい
彼女が食べ終わるまで、私は向かい合うように置いてある椅子に腰掛けて待つ
かち、とフォークが置かれる音に顔を上げると彼女はまた【数馬ちゃん】に戻る
「…どうだった?」
「…………まぁまぁかな」
「そ、そうか!」
「この味だったら生クリームとチョコレートをトッピングした方がいいかも…あとお皿のデザインも、もっと考えないとケーキが栄えないよ」
「うん!…ちょっと待ってメモるから!」
やはり的確なアドレスは本当にありがたい
「いやぁ感謝するよ…数馬ちゃんがアドバイスくれたモノはみんな売れ筋いいんだよ!あ、あと藤内ちゃんのもね」
「………藤内は頭良いもん」
「しかし藤内ちゃんはデートかぁ…こっちにも遊びにきて欲しいよ」
「……………」
あぁまた彼女が…せっかく不機嫌が収まったと思ったのに
今更になってフォークが刺さった所がジクジクと痛み始める
「ちょっと…デート中にそういう顔はなし!」
「…………はぁ!?」
やっぱり、ここにいるかぎりは
「カフェに男女二人がいて、ケーキを挟みながら会話してる…これをデートと言わないでなんと言うのさ!」
「…………ロリータコンプレックス又は犯罪」
「犯罪!?」
何が何でも笑顔でいて欲しい
「…ぷッくくく、冗談!なんて顔してるんですか!」
からんからん
あ、すみません。もう店閉めるんです…今から貸し切りにするもので
また139カフェにお越しになる時をお待ちしております!
※
久しぶりなのに女体化とか。数馬が書きたかっただけだったり
うちの数馬を愛してくれる糸ちゃんに勝手に送りつけます(爆)
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