くすぐったい日に(現パロ)
※現パロ・作法家族パロにて注意/藤内お母さん
「伝七そんな事も知らないのか?」
「なんだよ兵太夫は分かるのかよ!」
【くすぐったい日に】
日曜日だから、沢山寝ていたい。それは子供である僕だって同じことである…のに、
「兵太夫起きろったら!」
さっきから双子の兄である伝七が僕の掛け布団を奪おうとする。一体何なんだよ…うるさいなぁ
「…うるさいよ伝七、いつもの様に大人しく母さんに引っ付いてろよこのマザコン」
「…ッ!そのお母さんの事で話があるんだこのアンポンタン!」
「…、母さんがどうした?!」
あまりにも伝七が必死だから僕はさっきまで仲良くしていた布団をはいで伝七に詰め寄った…まさか倒れたんじゃッ!
「い、いやお母さんは今朝ごはん作ってるから安心しろッ!」
「〜ッ…じゃあなんなんだよ」
伝七は口に手を当てて僕の耳元に一言…
「今日【母の日】だって知ってたか?」
「………………あ、」
「…二人ともそんなに難しい顔してどうした?」
「いやなんでもないです!…な?兵太夫!」
「うん!なんでもないよ母さん!」
「………そうか?」
とりあえず朝ごはんを食べてから二人で部屋に籠って作戦タイムだ
「やっぱりここはカーネーションかな?」
「…でも花を育てんの結局母さんだろ?大変じゃないか」
「う〜ん…お母さんナンクロとかクロスワードパズル好きだったよな!」
「…やめろよ、この間それやり込んで寝不足で倒れたじゃないか」
いいアイデアが全く浮かばない…そもそも当日気付くなんて…団蔵の家は何やるんだろぅ
悔しくも僕らは子供だから出来る事には限りがある。だけど妥協するほど幼稚ではない質だから余計…悔しくて仕方がない
物じゃなくても、思い出に残るような…母さんがびっくりするような
「…………なぁ伝七、」
◆◇◆
「なんだ…これ」
家中に掃除機をかけていたら、紙がヒラリと落ちていた
【寝室へ】
この癖のある字は伝七かな?とりあえず寝室へと向かった
紙に書いてある誘いで寝室のドアの前に来たけど…何だろう、いつもは風が通るように開けてあるのに今は重く閉まっている。伝七、兵太夫…?
「…失礼しまーす…」
ドアを開けるとその隙間から紐が動くのが見えたかと思うと
パァン…パンパンッ
紐が引かれると発動されるように仕掛けてあったのかクラッカーが鳴り、カーテンにセロハンテープで貼られたのか大きな紙があった、そこには…
【お母さん、いつもありがとう】
と紙いっぱいに書かれていた
あぁ、あの子達…
後ろで、足音がして振り返るとやはりあの子達がそこにいた
「…こんな物しか出来なくて…ごめんなさい」
「来年はちゃんと用意するから!」
「…おいで、伝七、兵太夫?」
そんな…そんな物はいらないよ。お前たちが、いるだけで…
「ありがとう、大好きだよ二人とも」
胸に暖かな命が2つ飛び込んできた
愛しい我が子へ…
この母の腕が届くまでは、どうか
その命の輝きを側で見せて
◆おまけま◆
「次は父の日だね?」
「………お父さんって誰?」
「伝七そんな事も知らないのか?」
「なんだよ兵太夫は分かるのかよ!」
「あれだろッ!
たまに家に遊びに来るおっさんだろ?」
「……藤内、ただいま」
「おかえりなさい喜八郎」
※
会社の出張ばかりでなかなか家に帰れない日々が続いたら、子ども達に存在を忘れられた喜八郎パパ(爆)
社長はお爺ちゃんである立花かな?
とりあえずお母さん…ごめんこんな子どもで(爆)
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