嫁に来ないか(綾浦+滝)
今とても良いこと言ったね。







「喜八郎!いい加減部屋の片付けくらいしたらどうだ!」

「………やだ。めんどい。」

「なんだと!」


滝が私に対して怒鳴り続けているが、私は気にせずごろんと横になった。
別に食べ物とかを散らかしてるわけじゃないし、ただ床に物を置いているだけじゃないか。滝って本当にお節介だなぁ。


「お前なぁ…そんなに怠けていたらおなごにモテないぞ?」

「……その時綺麗だったらいいじゃん。」

好きな子にこんなみっともない姿はあまり見せたくないってのは理解出来るけど…片すのはその子が来るときでいいじゃない。常に綺麗に、なんて疲れちゃうよ。

何を言ってもへこたれない私に疲れたのか、勝手にしろと滝は部屋を出ていった。

うん、勝手にするよ。とりあえず私は床に置いていた読みかけの本を手に取った。







「全く、喜八郎には困ったものだ!」

忍術学園の期待の星であり成績優秀、実力もトップ、甘いマスクがキラリと光る私、こと平滝夜叉丸は珍しくも悩みを抱えていた。
うむ…悩む私というのも魅力的だな!

さて…あの常にマイペースな喜八郎にどう言い聞かせるか。


悩んでいるうちに三年生の集団が私を横切った。
うむ…この平滝夜叉丸に挨拶もしないとは、恐らく私に声を掛けられないほど、この私を尊敬しているのだな!可愛らしい奴らだ。

(あれ、あいつは確か喜八郎と同じ委員会の…なんてやつだったか。)


「そこの前髪ウェーブの三年生!止まりたまえ!」

成績優秀な私に声をかけられ恐縮したように私が呼び止めた子が近づいてくる。

「…なんですか?平滝夜叉丸先輩。因みに僕は浦風藤内です。」

「おぉすまんすまん!浦風よ…実は私と運が良く同室になれた綾部喜八郎の事なんだが。」

「……はぁ、綾部先輩がどうかしましたか?」

「よくぞ聞いてくれた!…実は奴が部屋の片付けを全くやらなくて困っているのだ!…あいつは委員会でもそうなのか?」

浦風は私の言葉にびっくりした顔をした。私の声に聞き惚れていたのだろうか。

「綾部先輩が?!…冗談はやめて下さいよ!あの人は委員会では積極的に掃除をする方ですよ!」

「な〜に〜?!そんな事あるわけない!よし、この平滝夜叉丸が部屋を見せてやるぞ!」

「わわ!引っ張らないで下さいよ!」

この哀れな浦風に喜八郎の現実を見せてやろうではないか!


ドタドタドタ


なんかうるさい。足音からして滝だろうけど…あともう一つ軽い足音がする。誰かな…興味ないけど。


「見よ!これが綾部喜八郎だぁ!」

いきなり部屋の扉を開けた滝に目線を向けると、浦風藤内がそこにいた。

「ささ、入りたまえ浦風!」

「……お邪魔します。」


なんてことしてくれたの滝…まさか一番みっともない姿を見せたくない子を連れてくるなんて。
しばらく動く事の出来なかった私を他所に藤内は部屋を見渡した。そうした後すぐ藤内は顔を下げ黙ったままになる。実はだらしがなかった私を見て怒っているのか、肩が少し揺れている。

「……あの、藤内。」

「………ぷ、くくく、あはははは!もう限界!あはは!」

ぽかんとした滝や私に構う事なく藤内は笑っている。何が可笑しいのだろうか。

「あはは、すみません綾部先輩!…なんだか先輩にも人間らしいことあるんだなって思ったら、面白くなっちゃって!」

おやまぁ…この子は私のだらしない姿を見て幻滅するどころか笑い飛ばしたよ。不思議な子。

一通り笑うと藤内は立ち上がり、滝に掃除道具はないかと尋ねた。


「藤内…まさか掃除するの?」

「当たり前です!まぁ余分なものを片せばすぐ綺麗になりますよ!」

そう言うなり私と滝を部屋から追い出した。

「では、僕は掃除をするので先輩方は散歩でもしてて下さい!」


ピシャッ


「………お前の後輩はパワフルだな。」

「そうだね。」

私も初めて知った。

「喜八郎、ああゆうのに嫁に来てもらえよ?」

「…滝、今とても良いこと言ったね。」

私はとりあえず、掃除のお礼をするために菓子でも買いに行くか。最後くらいいいところ見せないとね。












綾部に変に男らしい所があるといい。
そんで変なところに男としてのプライドがある。

可愛い顔してやるな綾部!(何様)

藤内は…もう早くお前嫁に行っちゃえよ(爆)
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リゼ