2話
男性看護士はハンカチを出して、リョウヘイの涙を拭いた。
「泣かないでくれよ…もう、お風呂はいいからさ…な?」
「うぐ…」
リョウヘイは頷く。
「さ、部屋に」
「鼻…」
「え?」
「鼻水…」
「あ…ああ。」
看護士が、ハンカチを広げて鼻に当てると、リョウヘイは思いっきり鼻をかんだ。
「き、きったねぇな〜。」
「えへへ。」
看護士が苦笑いしながらハンカチをしまうのを、リョウヘイは笑いながら見つめた。
「さ、みんな心配してる。病室に」
「その前に、オシッコ。」
看護士は上げた頭をカクンとうなだれた。
「お風呂は嫌がるくせに、トイレはいいのかよ…」
「嫌なの?、お兄ちゃん。」
「いいえ〜!」
男性看護士は立ち上がると、リョウヘイを抱き上げた。
「わあっ、降ろして〜。歩けるよ〜。」
「遠慮しないの!」
「わあ〜っ!」
「はあ、はあ…」
「はい、到着。」
男性看護士は、リョウヘイを便器の前に立たせた。パジャマのズボンに手を掛ける。パンツと一緒に足首まで下げると、リョウヘイの性器を握ろうと、顔を上げ手を伸ばして固まった。リョウヘイの性器が、ビンと勃起して上を向いていたからだ。
「………」
「お兄ちゃん…」
「あ、ごめんごめん。ちょーっと、びっくりしちまった。」
看護士は、リョウヘイを見上げて笑うと、緊張した表情でリョウヘイの性器を握る。
「あん…」
「あれ?」
性器の先を便器に向けようとするが、うまく曲がらない。
「リョウヘイ君、硬くしちゃダメ…」
「そんなこと言っても…ああん、お兄ちゃん!」
そんなつもりはないが、結果的に男性看護士はリョウヘイの性器をしごくような形になり、リョウヘイは体を震わせながら上を向いた。
「出ちゃう…」
「ダア!ダメ、ダメ!今出したら、オシッコ上に飛んじまう!」
焦った看護士が、性器を強く握って向きを変えようした為に、リョウヘイの亀頭を覆っていた包皮はムリュッと剥けてしまう。
「あ」
「いひーっ!」
リョウヘイは、クンと腰を突き出した。その性器からは、オシッコではなく、違うモノが飛び出す。
「………」
男性看護士は呆気にとられて、リョウヘイの性器を握ったまま、その光景を眺めた。
「…はあっ、はあっ…」
リョウヘイに呼吸が戻り、我に返る。
「大丈夫か?!」
看護士は、立ち上がってリョウヘイを支えた。リョウヘイの瞳は、また潤んでいた。
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